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2021年 4月

都心でも自然や季節を感じたい

2021/04/26

今日26日(月)、藤崎農場から稲の苗が届きました。明日以降、配布を始めます。日本の田植えは地域によって、あるいは稲の種類によって時期が少しずつ異なるのですが、この4月には、希ですがすでに始まっている地域もあります。多くは5月に行われます。稲をそだてるということも、根のある花を育てるのも、同じ植物なので基本は同じです。花を咲かせて実がなるのですが、稲の場合はそれが「お米」に他ならず、種でもあるわけで、そんな風に稲をまるで花のように育ててみると、面白い発見があるかもしれません。

色々な鯉のぼりができてきました。各クラスで子どもが作っているのを見ると、作り方や描き方もそれぞれのクラスで独創的です。手法は違っても、その子の思いが表れているようでおもしろですね。

園舎に挙げた「鯉のぼり」の挙げ下げを、数人の子どもと一緒にやっています。鯉のぼりを実際に触りってみて、その大きさや色合いを感じ、ロープを引っ張って挙がっていく鯉のぼりを見上げています。遠くからみえる鯉も、実際は相当大きいのですが、それを実感してもらいたい。風が吹いて泳ぎ始めると「わあっ」と声が上がります。風でロープが引っ張られる強さが、子どたちの手にも伝わってきます。

実際に手応えを感じながら、鯉のぼりが風にたなびく姿を目にするという、鯉のぼりを挙げてみる体験ですが、これには何か、色々と「良いもの」が含まれている気がしました。

 

 

 

親子ふれあいイベント第一弾「稲の配布」

2021/04/23

 

親子遠足の代わりの「親子ふれあいイベント」を早速始めます。その第一弾は「親子で田植え!」です。苗を配布しますので、家庭で育ててみてください。この稲は私と事務長の2人で、昨年秋に稲刈りをした田んぼの稲です。藤崎農場といいます。この田んぼは私たちの法人で長く付き合っている田んぼで、「耕さない田んぼ」で有名です。無農薬ですから、水田の中にはメダカなどの水生動物がたくさん棲んでいて、空中には虫が飛び交い、サギなど鳥もきます。

そんな生態系が守られている、これから求められているSDGsにふさわしい田んぼです。自然の風雪に晒されているからか、数年前の台風でも倒れない強さもあります。

この藤崎農場の田んぼの仕組みの紹介YouTubeです。見てみてね!
https://youtu.be/I4i9VmC_Ma4

その田植えで使う稲がもうすぐ届きますので、そのお裾分けです。容器を持ってきていただけば、荒木田土とセットで差し上げますので、ちょっと変わったインテリアとしても育ててみてください。

20210423 稲お知らせ(親子ふれあいイベント第一弾)

 

旧今川中学校の校庭で

2021/04/23

千代田区から毎月第2火曜日に借りている旧今川中学校の校庭ですが、先週は雨だったので今日23日に借りることができました。今年度初めての校庭遊びです。新しい、年中らんらんと、年長すいすいで出かけました。

年長と年中だと言っても、先月までは年少、年中だった子どもたちだけに、安全第一でゆとりを持って歩いていきました。列が広がらないように、また前のお友達から離れないように、同じペースで歩くのも難しい段階です。体力もあまりないので、まだまだ時間もかかります。また中学校まで横断歩道が大小合わせて8箇所あり、「右見て左見て、また右を見て」と交通ルールを確かめながらの散歩です。

校庭についたら、ルールを確認した後で遊びました。広々とした空間を走り回ったり、縄跳びやぽっくり、ボール遊びなど思い思いの遊びを楽しみました。

このような広い空間に出ると、普段できないだけに、喜びも意欲も全開です。ちょっと足りないぐらいの方が、大事にしたり、返って意欲が引き出されたりすることもあることがわかります。これから1年間、この子たちがこの空間をどんな風に使いこなしていくか、とっても楽しみになりました。

 

 

子どもの目線に合った実験づくり

2021/04/22

え〜、どうして? フライパンが浮いたことに、驚きの声をあげたのは、年長のKMさん。

22日(木)の幼児クラスわいらんすいの誕生会では、先生の出し物として「うく?しずむ?」の実験がありました。身近なものを水の入った水槽に入れてみて、浮くか、沈むかを確かめる実験です。やる前に、「浮くと思う人?」「沈むと思う人?」と先生が聞くのですが、それを見ていて「子どもらしいなあ」と感じるのは、「どうしてそうなるのか」ということよりも、「当たった!やったあ!」の方が嬉しいということです。

それでも、さすがに最初は沈んだフライパンが、そっと載せると船のように水に浮いたことに、素直な「びっくり感」が表れていました。でもそれは年長さんぐらいにならないと、「あれ、どうして、不思議だな」という感じになりません。多くの子たちは、答えが外れたことの方が「え〜外れた、残念」という感じであって、関心が不思議さの方にはあまり向きません。

そんな様子を見ていたら、最後にいくつかの石を入れてみると、ふんわり浮いたり、スーッと沈んだり、ふわふわと漂ったりする石があって、それは「あれ!」「え!」という意外さを表していました。そうした子どもの心の動きが見えてくると、どんな実験が、この時期の子どもたちにとって「心動かされる体験」になっていくのかが、見当をつけていくことができそうです。いろいろな実験を通して、見せてくれる乳幼児の姿から、子どもに目線に合った実験をやっていきたいと考えています。

今年度初のバス遠足は浜町公園へ

2021/04/20

全国130カ所で25度を超える「夏日」となった今日20日、今年度初めての「バス遠足」を幼児たちが楽しみました。行き先はバスで10分あまりで着く「浜町公園」です。この公園はブランコや滑り台、シーソーやジャングルジムなどオーソドックスな定番の大型遊具が充実しており、園児たちにとっては飽きない公園です。

3歳児クラスの「わいわい組」は、初めての浜町公園でしたが、ネット遊びやクライミングに馴染んでいる子たちは、大型アスレティック遊具の登り板を躊躇なく登っていました。

すでに馴染んでいる4歳のらんらん、5歳のすいすいの子たちは、最初からやりたかった遊具へ一目散。ブランコにはすぐに列ができていました。

アゲハ蝶も飛んでいて、虫好きの男の子たちは夢中で追いかけていました。しばらくすると、器用に帽子で捕まえたそうで、走って見せに来てくれました。とっても嬉しそうです。

保育園へ持って帰りたい気持ちもあったと思いますが、そこはお友達と話し合って逃してあげることにしたそうで、こんなところにも、経験の積み重ねからくる年長らしい育ちを感じます。

夢中で捕まえたものを放してあげる、優しさや心の余裕は、3歳4歳では難しいものだからです。

園庭のない保育園にとって、広い公園で思いっきり走り回れるのもありがたいことです。この公園にはラグビーボールを輪切りにしたようななだらかな丘があるのですが、そこへ走り上がったり、坂を駆け降りたり、全身のバランスを手や足を協応させながら、思いっきり走り回ることで滑らかな身体を育てます。

今日は、遊具の方へ興味が強かったので、鬼ごっこなどは見られませんでしたが、そのうち、いろんな身体的な遊びがこうした公園でも見られるようになっていくことでしょう。

それにしても、4月下旬で夏日に近い日があり、台風も沖縄にくるような気候変動、温暖化に加えて、新型コロナの変異ウイルス感染の拡大で東京もまた緊急事態宣言へという流れになりそうです。思うような活動がやりにくい状態が続きます。行事も含めて、できることを柔軟に実施しながら子どもたちの発達を支えていきたいと思います。

 

新宿せいが子ども園の環境を視察しました

2021/04/17

今日は新宿せいが子ども園へ出かけて、保育環境を見学してきました。藤森統括園長から「これからの時代の教育や保育」のポイントをレクチャーしていただき、その後、じっくりと環境を見てきました。子どもたちが生きていくことになるこれからの「不確かな社会」は、少子化とAIの社会になります。そこでは共感や協同する力が不可欠になります。そのために乳幼児の頃から、集団の中で粘り強さや気持ちを立て直す力(レジリエンス)などの根っことなるものを育んでいくことが必要です。そのためにも「子ども同士の関わり」の中で、感情をコントロールできる力や、話し合ったり協力して何かを成し遂げる力が必要です。

そんなこと確認しながら保育を考えるのは楽しいものです。私たちの生活にどんな意義があるのか、それを確認しながら保育を計画していくことができることに、仕事のやりがいを感じます。世界的には産業革命以降に始まった個人のスキルを社会の目的に合わせる教育から、180度転換する必要があるのですが、OECD(経済協力開発機構)でさえ、すでにその転換を唱えているのですが、日本ではそのための教育改革ビジョンがなかなか見えてきません。しかし、それが必要なことは間違いなく、それに気づいている教育者たちが独自に取り組んでいるという状態です。

新宿せいがの2階は幼児の生活空間なのですが、伝承遊びゾーンは「多文化ゾーン」に変化し、また年長組すいすいの活動の中にお手伝い活動に加えて、科学実験活動の充実が図られていました。時代の変化が保育ゾーンの変化となっていました。千代田せいがは狭いので、知恵を出して工夫していこうと思います。

存在を喜び合うちっち・ぐんぐんの朝の会

2021/04/15

「◯◯ちゃ〜ん」、と子どもの名前を呼ぶと、ちょうど1歳になるKちゃんが、嬉しそうに「は〜い」と手をあげてパチパチします。周りの子たちもパチパチしています。ほんの半月前までは「集団」を知らなかったはずの子が、ちゃんとご返事ができる、ということに先生たちの間に温かい歓声があがりました。名前を呼び合う間柄になるということは、あなたがそこにいることだけで、私たちは嬉しいということを確認していることになっています。

0歳の子たちにとって、気持ちが通じ合うということは大切な「社会的発達」の経験になっています。1歳ごろと言えば、自分と相手と世界の3つが「表象」によってつながり合っていく時期です。自分が先生から「◯◯ちゃ〜ん」と呼ばれることも、自分についての「◯◯ちゃ〜ん」という自己イメージをもてていることになります。「は〜い」と応答できているということは、自分についての自己イメージ(表象)と「◯◯ちゃ〜ん」と声を自分に結びつけるという三項関係が成立しており、言葉がで始める前の発達の条件が整っていることがわかります。

このことは家庭でも起きることですが、集団があると、このように「声」をかけてくれる他者の存在があり、そばに模倣したくなる対象がたくさんあることになります。そのやり取りの中で、それを喜んでくれたり、嬉しがってくれたりすることで「気持ちが通じ合う」という社会的な発達の経験になっているのです。楽しい体験はまたやりたい、また僕のこと、私のことを呼んで!認めて!という存在自体への承認欲求が満たされていくことになります。

朝のお集まりは、今日も元気にいるね!という、お互いの存在を確認し合うことになっています。出席をとるということの本来の目的です。そこに存在すること自体の重要性を感じあっています。これは自信の育ちにも関わっています。無条件の自信が他者と信頼し合う関係に育ちます。1歳ごろまでに気持ちを通じ合わせる中で「人と関わること」そものもが発達の経験になっているのです。

利他性が発揮されている毎日

2021/04/14

今週4月12日(月)から、東京でコロナ感染の蔓延防止対策が始まったわけですが、「春に三日の晴れなし」と言われるように、春は意外とカラリと腫れた日が少ないもの。ちょっとでも晴れていたら「外遊び」を取り入れたいと考えています。今日14日は雨だったので、室内やベランダでの様子がクラスブログで紹介されています。

そこで見られる姿は、面白いことに子どもたちが元々もっている「利他性」が発揮されていることです。利他的という言葉はちょっと難しい言い回しですが、「利己的」の反対です。自分にとっては直接メリットがなく他人のために役立つような行為です。そうした「態度」は、お手伝いをやりたがる、率先して掃除や片付けを手伝う、お友達の気持ちに気づいて優しく接する、楽しそうな遊びをお友達にも伝える・・・そうした姿の中に見出されます。

千代田せいが保育園の保育が何を目指しているのかというと、色々な言い方ができるのですが、子どもの育ちゆく姿としては「保育目標」というものがあります。学校だったら教室の前に額縁に入れて掲げてある「教育目標」と同じ位置付けのものです。保育園も幼稚園も学校も、それは子どもを主語に書かれています。例えば和泉小学校は「人にやさしく 自分につよく 明るく 元気な 和泉の子」です。省略してありますが、主語が「子どもは」になっているでしょ。社会性、克己心、内面性、健康などの要素が盛り込まれていますね。注目して欲しいのは、トップに「人にやさしく」と利他性を含む人間性が掲げられているということです。

千代田せいが保育園の場合は「自分らしく、意欲的で、思いやりのある子ども」です。思いやりというのは、他人への「共感」の育ちがベースになるのですが、その育ちの基盤は持って生まれたもの(つまり教えて学んだものではなく、生得的に持って生まれるもの)と言われる模倣の力です。じっと見て真似をするという力が、相手の心の動きを想像しながらなぞるようにイミテーションできる力のことです。

したがって、心をなぞりたい!、一緒になりたい!と愛着を持てる対象がそばにいなければ、模倣する対象をもてませんし、共感体験が生じません。ちっちやぐんぐんやにこにこの頃から、その体験を積み重ねていく中で、他人への信頼感を獲得しながら、言葉も獲得し、やさしさを育て、思いやりという心の姿勢を形作ることができるようになっていくのです。この育ちのまとまりを利他性の発達と言います。SDGsなど持続可能な社会を実現できるかどうかは、保育のテーマとして捉えなおせば、この心の姿勢を育てることに他ならないのです。

それぞれの「どろんこ」見つかったかな?

2021/04/12

1週間前の4月5日の月曜日と、今日12日の月曜日では、たった1週間の違いなのに、子どもたちの慣れ具合、落ち着き具合が全く違います。

1階の「ちっち」は牧野先生の膝の上でUKさんが美味しそうに朝のお煎餅を食べていましたし、「ぐんぐん」はエプロンをテーブルに並べたり、おしぼりタオルが誰のものかを早速覚えていたり、まだ朝9時台ですが泣く子がもういませんでした。

同じ頃、2階の「にこにこ」は、室内のままごと遊びやベランダでの運動歌遊びに夢中になっていました。

さらに3階の「わらす」は、将棋を指している年長すいすいさん、140ピースのパズルに挑戦中の年中らんらんさん、ぬりえに没頭中のわいわいさんと、びっくりするほど静かでした。

先週7日(水)に、子どもたちと先生とで「入園・進級を祝う会」を開いたのですが(その模様は「行事」にアップしました)、子どもたちそれぞれの「落ち着く居場所」を見つけて欲しいという願いを込めて絵本『どろんここぶた』を読んであげたのですが、子どもたちがそれぞれの「どろんこ」が見つかっているように見えました。安心して過ごせる場所があるからこそ、そこから、それぞれの冒険や探検や挑戦が始まっていることでしょう。

藤森平司の保護者講演会

2021/04/10

2年ぶりに開かれた藤森統括園長による保護者向け講演会。昨年は緊急事態宣言のために開催できませんでしたが、今年は感染対策をしながら、保育園の会場に4家庭、ZOOMで10家庭の皆さんに参加いただき、開催することができました。ありがとうございました。今日の藤森先生の話は「これからの時代に必要な子育て」に関するものでした。具体的には目指したい子ども像に始まり、これからの不確かな時代を生きていくために必要とされるスキル、良い学びが起きる条件とは何か、そして今後必要とされるであろう6つのキーワードについての詳しい解説でした。なかでも「実行能力」と言われる自分の感情と行動をコントロールする力がとても大切であるという話でした。この実行能力とは発達科学で言われる言葉ですが、これまで哲学や社会学では「自由意志」として語られてきた生きる力と同じです。

これらの力がどこで、どのように身につくのかというと、少子社会の中では家庭では難しく、子どもの集団のある保育園がその機会になります。これからの時代に必要な力が、家庭や地域では育ちにくいというのは皮肉なことですが、それには理由があります。それは人類は協力しあう能力があったから現在まで進化の過程で生き延びてきたと考えられているからです。その能力を整理すると、人と協力したり、コミュニケーションをとったり、物事をしっかり考えたり、関連する要素を組み合わせて創造したり、挫けずにやり通したりする力が含まれます。

これらの力は、持って生まれたもので決まるのではなく、スキルですから習得できるものです。従って学び続ける力が必要になるのですが、習得には「ラーニングピラミッド」という階層があり、学んだことをしっかり身につけるためには、グループ討議、自ら体験する、他人に教えるという「アクティブラーニング」が不可欠です。このような学びがすでに乳児の「模倣学習」の中に見られることを、エピソード動画で解説していただきました。

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