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園からのニュース

「鬼ごっこのある町ちよだ」事業

2019/10/24

園は千代田区と相談して、園の主催事業として「鬼ごっこのある町ちよだ」を行うことになりました。10月26日の運動会は、その1回目のイベントになりました。そこで、運動会では、いろいろな「鬼ごっこ」をやりますので、それに興味のある方は保護者以外の方も見学ができるようにします。また実際に地域の方も参加できる種目も用意しました。お知り合いの方で「鬼ごっこ」の普及に興味のある方に、保護者の皆さんからもお声掛けください。

20191026 鬼ごっこのある町ちよだ(ポスタ)

 

 

「赤ちゃん 夜しっかり眠って 〜新生児からの らくらく睡眠習慣〜」を配布

2019/10/15

「赤ちゃんは夜、眠りたがっています、ちょっと泣いても、抱っこしないでね」

赤ちゃんの頃から夜の睡眠を含めて生活リズムを整えることが、母子ともに楽しい子育てにつながることを訴えてきたのが精神科医の足達淑子先生。先だって9月29日に開かれたシンポジウムでお目にかかりました。

本日、保護者の皆さんにお配りしたのが、足達淑子先生がまとめたパンフレットです。月齢に沿って睡眠時間の目安が載っています。当園の園医さんである瀬川クリニックの院長で、「子どもの早起きをすすめる会」発起人の星野恭子先生の推薦です。ぜひ参考にしてみてください。

「赤ちゃん 夜しっかり眠って 〜新生児からの らくらく睡眠習慣〜」

生活リズムを整えましょう

2019/10/09

本日9日に、生活リズムをチェックできるプリントを配布しました。当園の園医さんと相談して実施することになりました。瀬川クリニックの星野先生が代表になっている「子どもの早起きをすすめる会」が監修したものです。

乳幼児の生活リズムが、非常に大切で、思いもよらないほど大きな影響を与えることがわかってきています。朝から体温が上がらず、眠そうな状態だと、遊びにも意欲が湧かず意欲的になれません。心身のアンバランスも生じやすくなります。

早起きをして、朝日を浴びて朝ごはん食べ、昼間はたっぷりと運動し、9時までには眠り、子どもの生体リズムを整えてあげましょう。

20191009睡眠チェック表の活用のおねがい

20191009生体リズムチェック

 

 

本来もっている力を取り戻そう

2019/10/08

「他の霊長類が滅んでしまったのに、人類がここまで生きのびられた理由を探っていくと、その本来持っている力を信じて、それを取り戻すようなことをしなくてはならないんです」

◆保育とは本来は「チーム保育」

7日と8日の2日間、研修会の司会をしていました。保育環境研究ギビングツリー(代表・藤森平司)が主催する「職域別見守る保育セミナー」です。北は宮城県から南は宮崎県まで約80名の保育者たちが日本橋に集いました、「保育者」といっても、保育士は10名ぐらいで、一番多いのは「栄養士」で30名、ついで「調理師」が10名、「看護師」18名、その他、園長や事務職の方々でした。保育園には保育士以外に、こうした専門職がいます。それらの専門職が協力して保育は成り立っています。つまり保育とは、本来「チーム保育」なのです。病院のチーム医療と似ていますね。医師だけではなく、看護師や栄養士や医療技師などの専門職が連携して、患者さんの病気を治す。それと同じように保育士がもっぱら子どもと直接、接することが多いとはいえ、看護師も栄養士も事務長も私も一緒になっての保育を作り上げています。

◆目指す保育像を一致させること

専門職が集まって同じ保育理念の実現を図ろうとすること。そのために最新の専門知識を学び、保育に活かす。それがこのセミナーの目的です。もっぱら保育士や幼稚園教諭を対象とする「保育環境セミナー」(年3回)とは別に、職域別にグループ討議をする、このセミナーは年1回開かれています。毎年私が司会をしています。

毎回、特別ゲストの講演があるのですが、今回は自然野菜、有機野菜を使う創作イタリア料理店「カーポラヴォーロ」を経営するオーナーシェフ鳥海将彦さんをお招きして、料理を通して「自然の持つ本来の力」を考えました。人間も本来は自然の進化の賜物です。素晴らしい力を持っているのに、誤った食べ方や生活が、病気にさせたり不健康になったりする要因になっています。子どもも私たち大人も、もともと持っている力を見失わずに、それを取り戻していくような生活を作り出していくという意味で、目指している保育像と同じ理念を学ぶことができました。

◆添加物、種、食物アレルギー

私たちが普段食べている食品には、よくわからないものがたくさん入っています、食品添加物がずらりと表示されている食品がいっぱいあります。鳥海さんの店の料理は、そうした食材をできるだけ使わないで、農家の方と直接会って、いいと思ったものだけを使った野菜料理が人気です。

日本人に多い食物アレルギーの原因の一つが、品種改良を重ねすぎた食品にあるかもしれないという研究があるそうです。原種に近い小麦粉の料理ならアレルギー反応がなかったという事例が報告されているそうです。そうしたことを考えると、同じ小麦であっても、たんぱく質の種類が異なることで、人体反応が変わることは想像できます。数年前に廃止になった種子法の影響で、もともとの種子が日本からなくなってしまう危険性の話や、私たちの食生活の仕方次第で、もっと健康で安全な生活を作り出すことができることも学びました。

子どもはまだ、その誤った影響を受けていません。できるだけ、その弊害を遠ざけてあげること、そしてその本来持っている力を信じて、それを取り戻すようなことをしていこう、それが今回の保育理念の再確認でした。

「子どもの早起きをすすめる会」の研修会に参加

2019/09/30

29日(日)午後、国立オリンピック記念青少年総合センター(オリセン)で「子どもの早起きをすすめる会」主催のシンポジウムがあったので、小林先生と2人で参加してきました。

この会の発起人が、園医でもある「瀬川クリニック」理事長の星野恭子先生です。「すすめる会」は2001年発足で、来年20周年を迎えます。この会は、文部科学省が1996年に始めた「早寝早起き朝ごはん」全国運動を担う団体の1つで、現在約300の団体が協議会に加盟していますが、その中でも乳児の睡眠リズムの重要性を小児神経科の専門的立場から、実践に活かす活動を推進している中心的な組織です。

今回の研修テーマは、子育て支援者向けシンポジウムで「睡眠リズムは乳幼児から整えよう」というもの。今日の主なトピックは「夜泣きで困っている時どうしたらいいか」「何ヶ月から夜の授乳は必要ないのか」など、子育て中の親ならほとんどが悩んだことのある事例ばかりでした。

その医学的根拠については、足達淑子(あだち健康行動学研究所所長)先生から「赤ちゃん夜ぐっすり眠って〜新生児時期からのらくらく睡眠習慣づくり〜」と題して、また支援の実践事例については、清水悦子(茨城キリスつ教大学助教)先生から「赤ちゃんの眠り〜支援活動の国内動向にみる様々な支援のかたち〜」と題して、報告がありました。

乳児の夜の睡眠は、細切れだったのが、だんだん夜にまとまってきます。足達先生によると、赤ちゃんは生後6ヶ月で「午前と午後に1時間程度の昼寝をして、夜の睡眠時間は12時間程度に」まとまって寝ることができるそうです。夜に授乳の必要はなく、夜泣きがあってもすぐに抱っこや授乳をしないで様子を見て、また寝るようならそれでいいそうです。

睡眠リズムは子どもだけではなく、母親も夜の睡眠不足や乱れにつながっていることもあります。母親への支援のあり方について、清水先生は「正論は返って親を追い詰めて負担になったり、傷つけてしまうこともあります」とあくまでも個々の子ども、赤ちゃんの様子をしっかり把握することを大切にしてほしい、と言います。

今日の学びの要点は、こうなりそうです。まず、確かに赤ちゃんにとって望ましい睡眠リズム、生活習慣というものがあります。そうでなけれは、国民運動など必要ないでしょう。それには相当の医学的な根拠、社会学的なエビデンスが揃ってきています。その一方で、これまでの日本での常識や習慣、あるいは助産師会や保健所の指導内容などと異なるように聞こえる部分もあります。どっちを信じたらいいの?という戸惑いが生まれることもありそうです。

そうすると、これらの知見を整理した上で、安心して子育てができるように、それぞれのオーダーメイドの生活習慣作りが大事だなぁと思います。保護者のみなさんと、率直に話し合いながら、一緒に考えていきましょう。

運動会について

2019/09/29

◆運動会シーズン

運動会の季節です。昨日28日(土)は、和泉小学校の運動会でした。土曜日の保育に来ている子どもたちが、見てきました。千代田せいがの子どもたちも何人かいたようです。

また姉妹園の運動会も昨日でした。新宿せいが子ども園です。私はそちらで「雑巾掛けリレー世界大会の審判員レフリー」として参加しました。もちろん「ごっこ役」の中での話です。新宿せいがの運動会は13回目になりますが、毎年、園の隣にある落合第四小学校の体育館を借りていましたが、数園前に定員が1.5倍に増えたことをきっかけに、小学校の隣の、より大きな中学校の体育館に変わりました。

◆乳幼児期の運動会は体育館がふさわしい

体育館で行うのは、赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちなどもあるので、砂ほこりや暑さ対策、雨の時の級な会場変更なども苦労が大きいからです。乳幼児の運動会は、体育館がふさわしいと考えています。そういう判断から、社会福祉法人省我会の運動会は、現在4園とも小学校、あるいは中学校の体育館で行っています。気象変動の影響もあって、台風の多い9月や10月に、なぜ風物詩的に運動会を行うのかという「当たり前」を疑うことも必要です。

◆参加すると運動がもっと楽しくなるように

そんな議論を経て、私たち省我会は、運動会の目的と内容を、常に見直してきました。運動会は、「運動の会」です。この行事で最も大切にしなければならないのは、この行事を通じて、普段から楽しんでいる体を動かすことがもっと楽しくなるようにすることです。運動会の時期が近づくと、幼稚園や保育園に行きたくなくなるというのは、全く本末転倒です。運動会がくるのが楽しい、運動遊びをもっとやりたい!という気持ちになってもらいたいと思います。また、運動会が楽しかった、またやりたい!、もっとやりたい!という意欲的な気持ちが育つような日にしたいと思っています。

◆十分な運動遊びがあってこその身体の育ち

千代田せいが保育園には、園庭がありません。近くに野山もありません。里山があるわけでもありません。そんな環境があれば、普段から鬼ごっこやかけっこ、かくれんぼをしたり、芝生の上で転がったり、土の斜面を駆け登ったり、山道をふうふう言いながら登ったり、急な坂道を綱を引っ張って登ったり、高いところから飛び降りたり、こぶしや桜の木に登ったりできます。

こんなことをたくさんやっていたら、運動会で運動面の発達を見せることに意味があります。開園してまだ半年です。4月はほとんど外に出ることができず、5月6月7月にやっと外遊びを増やしてきました。また暑すぎる夏は、そこに出ることすらできない天気が続きました。そして9月中旬になってやっと気持ちよく外に出て遊べるようになってきました。和泉公園に散歩に行けたのが、9月19日です。

(この日は、いろいろな意味で、開園から半年の現在地点を図る、メルクマール、基準点になっています)

◆個人競技

さて、このような現状の中で、今年は姉妹園がやっている通りの運動会を開くつもりはありません。昨日の新宿せいが子ども園の運動会では、平均台や巧技台を駆使して、バランスをとったり、雲底でぶら下がったり、鉄棒を前回りしたり、跳び箱を跳んだり、マットの上で前回りしたりします。

ちっち組からすいすい組まで、自分にあった高さや難しさを「どっちにする?」選んでから、やります。らんらんさん(4歳)ぐらいの跳び箱は、走っていって両足を広げて、跳び箱の上に乗る、というところぐらいまで。すいすいさん(年長)になると、4段や5段を飛び越える子どもが増えてきます。

これらは「個人競技」といって、一人ひとりの運動面の発達の姿を、その種類ごとにじっくりと見てもらう種目です。競うこともしません。「僕(私)、こんなことするのが好きなんだよ」という感じで、やっていくのですが、それは、千代田では、今からもっと、いろんな遊びをたくさんやってから、来年の運動会でやりましょう。

◆かけっこ

もう1つの種目に「かけっこ」があります。赤ちゃんから幼児まで、クラスごとに順番にやっていきます。寝返り、ずいばり、はいはい、つかまり立ち、手押し車、かけっこと、「人が立って歩き走るようになるまで」を見ていきます。すいすいさんはリレーで「勝負の世界」を体験します。年中ぐらいになると勝って嬉しい、負けて悔しい!という気持ちを味わうことができるようになります。実は、わいわいぐらいまでは、あまりそれは実感できません。年長ぐらいになると、勝つために作戦を考えたり、練習をしたい!となったりします。

◆親子競技

そして3つ目の種目が「親子競技」です。これはクラスごとに「親子で体を触れ合って楽しむ」ものです。車に乗ったり、何かになったり「つもり」「ごっこ」の世界で楽しみます。また幼児だけは、お昼のあとに午後のレクリエーションも楽しみます。

◆10月26日(土)の運動会は

そこで、千代田せいが保育園では、まずは、もっともっと、体を動かして遊ぶことが「こんなに楽しいんだ!」ということ、存分に体験したいと思います。そのためには、その楽しさを保護者の方も、実際に「親子で」体験していただこうと思います。イメージしやすいのは、5月の親子遠足の午後、和泉公園でやったレクリエーションです。基本はあれを存分に楽しみましょう。

繰り返しますが「運動会」は、せっかくご家族の方がたくさん参加されるので、親子で、あるいはご家族で運動遊びを楽しむ機会にしてもらうつもりです。千代田せいが保育園の運動会は10月26日ですが、今のところ「和泉公園」で親子運動遊びを楽しむ予定です。芝生や土の上で運動しますので、ご家族の方も、身軽に体を動かしやすい、汚れてもいい格好で、お越しいただくつもりです。

◆まずは体を動かす運動の伝統的な遊びを体験しましょう

当日は鬼ごっこや相撲など、日本ならではの、また地域ならではの遊びや運動を楽しみたいと思います。今のところ「いろんな物はいらない。原っぱさえあえば遊べる!」「子どもには知恵と原っぱを!」の基本を確認できるものにしたいと思います。天気が怪しくなったら、和泉小学校の体育館です。いくつかの普及団体コラボを予定しているので、その内容によっては、最初から「体育館」になる可能性もあります。

 

「子どもの早起きをすすめる会」について

2019/09/18

◆今日は全園児健康診断でした

今日は月1回の乳児健診でした。乳児以外の1歳から幼児クラスの子どもたちも、年2回の健診をするのですが、今日は春に続き、2回目の健診としてぐんぐん、にこにこも行いました。来月、幼児もやります。

子どもたちの健康は、栄養バランスの良い食事や適度な運動、ストレスのない生活などが必要と言われますが、幼少の頃に大事なものに「早寝やは起き、朝ごはん」という生活リズムを整えるということがあります。

千代田せいが保育園の園医の瀬川クリニックの院長、星野恭子先生は、「子どもの早起きをすすめる会」を発足された方です。この会は「現在の子どもたちの睡眠覚醒リズムに焦点をあて、子どもたちをとりまく生活環境を改善するために意見交換と情報提供をしていくこと」が目的です。

園医さんと相談して近く、生活リズムに関するアンケートを実施しますので、それぞれの家庭で生活リズムを見直していただく機会にしていただけると幸いです。

今月末に「すすめる会」主催のシンポジウムがあるので参加してきます。

 

◆♩ 乗り物だ好き、いろんなくる〜ま、・・・働くクルマ・・

子どもたちが大好きな歌、「はたらくくるま」に出てくるくるまを絵にした紙芝居を主任が作りました。歌のくるまにあわせて、紙芝居でくるまを楽しめます、今日はにこにこさんが楽しんでいました。

 

◆魚に触ってきました

幼児クラスはバス遠足の日で、晴れたら木場公園にいくつもりだったのですが、天気予報では昼前に雨になるというので、急遽、しながわ水族館へ変更しました。これまで行っていないゾーンの1つに、お魚を触れるところにいってきました。

玄関のところで動画を流してみてもらいました。

 

平凡なる日常の偉大さ

2019/08/27

◆平凡な日常の素晴らしさ

保育の質は平凡な日常に宿る。そんなことをお伝えしたくなるのが、大きな行事が終わった後です。確かに普段できないことをやる「非日常」である行事は、普段できないことをやるからこそのイベントですが、毎日がイベントだったらそれはもう、イベントではない日常です。

ディズニーランドで働いているスタッフは毎日がイベントのようにキラキラ輝いているわけではないでしょう。平凡な日常があるからこそ、ハレとしての非日常が輝くのでしょう。親子遠足、神田祭、盆踊り、子ども縁日、そして屋形船納涼会。たまにあるから、貴重な体験になるのだと思います。

◆思わず拍手を送った光景

でも、しかし、それでも・・大事なのは日常の方ですよね、ということを話したくなるのです。今日、素晴らしい光景を目の前でみました。これは「一見さん」にはわからない素晴らしさです。毎日の生活を共にしているからこそわかる素晴らしさです、思わず目を見合わせて、心で拍手を送りました。

それは朝、USくんがネットのマス目から体を下に降ろしていく時のことです、巧みに両腕をすぼめて、網目から肘を上手に抜くと、ゆっくりとじんわりと自分の体を両腕で支えてマットの上に着地したのです。体幹が全身の動きを調整し、上腕が全体重を支える懸垂力が育っていたのです。このような、静かで目立たない育ちは、毎日見ていないと気付きません。鉄棒の逆上がりができた!というような華やかさもありません。競争して一番になった!という達成感や優越感もありません。でも、です。この小さな一歩一歩の積み重ねが、大きな成長に繋がっていくのです。

 

◆この毎日の積み重ねに勝る方法なし

同じようなことがいっぱい起きています。積み木の乗せ方、パズルの組み合わせ方、巧緻性が育っているLaQの制作物、色鉛筆での塗り絵の上腕と手首の滑らかさ、食い入るように見入っている図鑑や絵本、先生が読み聞かせている面白い生き物の絵本の世界・・・この毎日の積み重ねに勝る強力な方法はありません。

 

◆食事の提供ガイドライン

私は厚生労働省の食育に関するガイドラインの検討委員だった時期がありますが、その時、委員の全員が大事にしていた考えは「食育は毎日の食事が大事であって、イベントとしての食育活動ではない」ということでした。いまだに食育が何かの見栄えのいいイベントをやればいいと勘違いされている節がありますが、そうではありません。

◆誰も言わないけど「美味しい食事」が基本

当園の古川栄養士が作る献立の素晴らしいところは、毎日の食事が実に美味しいという、このもっとも大切でシンプルな事実にあります。これができそうで簡単にはできないことなのです。好き嫌いやら、食べ残しやらの課題が「おいしさ」抜きに語られていることが、不思議です。美味しいと食べます。同じ食材であっても調理によって、味が変わり、美味しいと子どもは食べます。

この当たり前の「日常の味の美味しさ」がベースになるからこそ、その上に偏食やら、誤飲を防ぐ切り方や盛り方、リスクの少ない喫食方法やら食事マナーやらの話が出てくるのです。

◆平凡な、しかし偉大な日常

千代田せいがは毎日の生活の質を大切にしたい。行事のために、おろそかになる日常は避けたいと考えます。平凡な日常の中に偉大な本質があるのです。その様子は各クラスのブログがお伝えしています。

 

くつろぎと安心のゾーンを新設

2019/08/16

昨日15日から3階の幼児空間に「くつろぎゾーン」を設けました。家庭のリビングが、ゆったりとくつろぐ場所であるなら、子どもの生活にもそれは必要です。
「くつろぐ」という言葉は子どもには難しいので、のんびり、ゆったり、といった気持ちをイメージしやすいイラストも近くに掲示しました。
こんな空間が、子どもに必要だろうかと、思う方がいるかもしれません。また空間に余裕があるなら用意してもいいぐらいに考えるかもしれません。しかし、そうではないのです。もっと積極的な意味があります。
◆海外では当たり前にある場所
(マレーシアの保育園)
くつろぐ場所を園内に用意するのは、海外では当たり前です。日本の学校にはプールがあることで驚かれますが、ダイニングやくつろぐ場所がないことにも驚かれます。くつろぐ場所が、いかに当たり前の空間かを表すものとして、海外でよく使われている有名な「保育環境評価スケール」を紹介します。43ある項目のうち、3番目に「くつろぎと安らぎのための家具」があります。
◆「とてもよい」環境を目指して
この保育環境評価で「よい」の評価をえるには、次の3つのことが、揃っていなければなりません。
・1日の相当の時間を、くつろぎの場で過ごすことができる。
・くつろぎの場は、体を動かす遊びのためには使われない。
・柔らかな家具はおおむね清潔で手入れがよく行き届いている。
さらに「とてもよい」のためには、さらに次の2つのことを満たす必要があります。
・くつろぎの場以外にも子どもが使える柔らかい家具がある。
・子どもが使える柔らかくて清潔なおもちゃがたくさんある。
◆リビングは寛ぎの居間
こうした保育の専門的な視点を持ち出さなくても「寛ぎ」が大事だと思い直すことができないでしょうか。子どもは寝ている時間以外は、生活と遊びのなかで学び続けています。そのエネルギー効率は凄まじく、これと同じことを大人は真似できません。くつろぎと安心が得られる空間は、住宅表記では「◯LDK」と表すときのリビング(L)に当たります。生きる、生活するメインとなる空間です。ダイニング(D)やキッチン(K)と併せて、必須の場所として最初に書いてあるように、くつろぐ場所は大切な生活空間でなくてはなりません。
◆くつろぎは養護の条件
人間の生活には「衣食住」が必要です。「住む」ところは「寝る」ところでもあります。そして子どもには「遊ぶ」がなければなりません。すると確かに「子どもの生活」は「遊ぶ」「食べる」「寝る」の3つが時間的にも空間的にも、重要な要素になっています。この3要素を満たすことは、最近、このブログで説明してきた「養護」(生命の保持、情緒の安定)を満たすことでもあります。
生活空間も、最初からその3つのエリアを用意しておけば、園生活はスムーズに運びます。さらに私たちは生活空間を静的なエリアと動的なエリアを対照的に配置することで、生活動線のコンフリクトを避けています。
◆日本の最低基準はサイテー!
ちなみに日本では幼児教育施設が養護を重視した「生活」ではなく、狭い意味の教育でしかない「学校」を前提として基準ができてしまっているので、年齢別の「教室」しか作られません。「生活」という発想がないので、リビングやダイニングや寝室が、建築設計から完全に抜け落ちています。子ども一人当たりに必要な最低面積が1.98㎡しかないのは、一人分の机と椅子を置いたときの面積だからです。ひどい話です。これではとても、ゾーンどころではありませんね。

やりたがるロープの登り降り

2019/08/14

「これを見せたら、可能性は無限大だよって言われました」。小林先生がうれしそうに、話してくれました。「これ」とは、ネットが張られた運動ゾーンの写真です。「無限大だよ」と評価してくださった方は、運動教室の先生です。この環境は、やり方次第では、子どもの力がどんどん引き出されるので、ぜひそうでありたいと思います。

◆ぶら下がりたいという欲求
今朝は新しい運動を、子どもが取り入れました。「子どもが」というのは、こういうことです。みんな「布地の緑のスイング遊具」をクルクル回すのが好きですが、中には、よじれた部分をロープのようによじ登ろうとする子がいます。「そうか、よじ登りたいのか」と気づいたので、こぶをつけたロープを2本垂らしました。すると「やりたい!やりたい!」と列ができました。これは、懸垂力を伸ばすチャンスだと思いました。子どもが「あること」をやりたいときに、それをやることで使う能力が伸びようとしているのです。この欲求もまた、じゃれあい遊びと同じように、動物とも共通の、古い小脳の欲求だからです。

◆ネットとロープの組み合わせ
垂らした一本は登り用、もう一本は降り用にして、一方通行にしたところ、どんどんやります。まだ登ることはできませんが、コアラのように、ロープにしがみつくことはできました。ネットを登りきった所から垂らした「降り用」への、安全な移り方を教えると、できました。らんらんのAくんやJくんは、10回以上続けてやっています。わいわいのSくんやKくんも、私の助けを借りながらネットの穴からロープへうまく移りました。


お盆で休みが多かったのですが、しばらくはこの「ネットとロープの組み合わせ」にしておいて、手足の協応や平衡感覚、手で体重を支える支持力、両手で自分の体重をぶら下げることができる懸垂力、そして全身の体幹を育てたいと思います。毎朝、30〜60分の運動ですが「継続は力なり」です。半年経ったら凄いことになっているでしょう。

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